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2009 年度 実績報告書

短絡的表現から見た語用論と統語論の接点-日英語の名詞表現を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 21720134
研究機関東北大学

研究代表者

西田 光一  東北大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (80326454)

キーワード短絡的表現 / 語用論 / 統語論 / 直示 / 聞き手の役割
研究概要

平成21年度は、語用論の理論的研究を進めるとともに、語用論発、統語論着という方向の言語研究のモデルを具体化することを目的とし、短絡的表現の事例研究を進めた。まず、短絡的表現には、名詞句や動詞句といった文の構成素が単位になって欠落したものだけではなく、限定詞など名詞句内の構成要素の一部が欠落したものもあることが明らかになり、そのような欠落的名詞句を主語や目的語の一部に組み入れた文の文法的特徴を研究した。このような文は日英語で違った形式で生じ、その言語間の差異を理論的に考察した。次に、短絡的表現により命題的な内容が伝えられる事実の背景には、対話の原則に基づく話し手と聞き手の了解があることを示すデータが得られた。会話分析の研究方法を統語論の議論に組み入れ、短絡的な表現に込める情報量を濃くする方法を考察した。具体的には、対話に特徴的な直示の中心(deictic center)の転移に着目し、この語用論的操作を、聞き手自身に先んじて聞き手に次の話し手の役割を付与する話し手からの働きかけであるとする議論をまとめ、口頭発表した。これらの知見を発展させ、語用論と統語論の接点をさらに具体化するため、統語論での原則とパラメータによる分析方法を参考にし、通言語的に妥当な語用論的原則と各言語で違うパラメータを設定するという研究計画を立てた。これは、英語と日本語を例に取り、同じ語用論的原則がパラメータ設定により言語間で異なる方向で適用(尊重)されることを示すもので、成果発表に向けて準備を進めた。また、短絡的な名詞表現の分析が他の品詞の短絡的表現の分析に応用できることを示すデータが得られた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] From deixis to anaphora : Evidence from Japanese2009

    • 著者名/発表者名
      Koichi Nishida
    • 学会等名
      日本語用論学会
    • 発表場所
      龍谷大学・深草キャンパス(京都府)
    • 年月日
      2009-12-06

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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