中南米の数多くの地域においては大型のスペイン語地図が既に発表されているが、パラグアイのスペイン語バリエーションに関する先行研究はまだ少なく、Manuel Alvaz等が近年になって着手したばかりである。とりわけ社会開発の遅れた地域である西部チャコ地方に関しては、言語研究もほとんど行われていない。本研究は、同地方において現地調査を行い、既に収集済みである東部地方のデータと合わせ、同国におけるスペイン語の形態統語論的・語彙論的バリエーションの全国言語地図を作成するとともに、当該言語地図に基づき言語変化の動機について考察することを目的とする。 平成22年度の研究成果としては、平成21年8月にチャコ地方のコンセプシオン市およびフィラデルフィア市において実施した現地調査に基づきパラグアイ全国の言語地図を作成し、同地方において不足する語彙バリエーションに関する基礎研究データを提供することに貢献した。言語地図は、各語彙項目につき解説を加えた上で、調査報告書を編纂し、併せて、言語地図の電子化を実現し、独自のウェブページに公開するに至った。
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