変体仮名の語境界表示機能に関する実証的研究

2011 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21720160
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 日本語学
• 研究機関: 信州大学
• 研究代表者: 白井 純 信州大学, 人文学部, 准教授 (20312324)
• 研究期間 (年度): 2009 – 2011
• キーワード: キリシタン版 / ひですの経 / 変体仮名 / 仮名用字法 / 語境界

研究概要

変体仮名には,語のなかで特定の位置に特定の変体仮名が用いられることで語の境界を明示する機能的役割があるが,本研究は仮名表記の伝統を持たないキリシタン版の原語の仮名表記に注目し,その機能的運用が当初は組織的でない事,経験を蓄積することで次第に組織化されていることに注目し,変体仮名の機能的運用が語を表記するという経験の蓄積によるものであり,独立した表記上の規則ではないことを明らかにした。

研究成果

• [雑誌論文] キリシタン版の原語にみる仮名用字法の意識 (2012)
  • 著者名/発表者名: 白井純
  • 雑誌名: 人文科学論集(信州大学) 巻: 46巻 ページ: 21-30
  • 査読あり
• [雑誌論文] キリシタン版国字本としての『ひですの経』 (2011)
  • 著者名/発表者名: 白井純
  • 雑誌名: ひですの経キリシタン研究 巻: 48 ページ: 198-225
• [雑誌論文] キリシタン版前期国字版本の仮名用字法について (2010)
  • 著者名/発表者名: 白井純
  • 雑誌名: 国語国文研究 巻: 137巻 ページ: L1-L19
  • 査読あり
• [学会発表] Creation of metallic movable types of Japanese KANJI/KANA by the Jesuits (2012)
  • 著者名/発表者名: 白井純・豊島正之
  • 学会等名: 7th International Conference Missionary Linguistics
  • 発表場所: Bremen
  • 年月日: 2012-03-01
• [学会発表] 「ひですの経」とキリシタンの言葉 (2012)
  • 著者名/発表者名: 白井純
  • 学会等名: 『ひですの経』影印・翻刻刊行記念講演会
  • 発表場所: 東京(招待講演)
  • 年月日: 2012-01-22
• [学会発表] 「落葉集小玉篇」の部首配属からみたキリシタン版の字体認識 (2011)
  • 著者名/発表者名: 白井純
  • 学会等名: 漢字字体規範史国際シンポジウム「字体規範と異体の歴史」
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2011-12-17
• [学会発表] 松本藩版「兵要録」-活字本から整版へ- (2011)
  • 著者名/発表者名: 白井純
  • 学会等名: 第67回「書物・出版と社会変容」研究会
  • 発表場所: 松本
  • 年月日: 2011-10-01
• [学会発表] キリシタンの日本語学習-落葉集と節用集- (2011)
  • 著者名/発表者名: 白井純
  • 学会等名: 第10回世界日語教育研究大会
  • 発表場所: 天津
  • 年月日: 2011-08-21
• [学会発表] 「ひですの経」断簡の意義 (2011)
  • 著者名/発表者名: 白井純
  • 学会等名: 宣教に伴う言語学第二期プロジェクト研究会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2011-05-31
• [学会発表] キリシタン版後期活字の材質について (2010)
  • 著者名/発表者名: 白井純
  • 学会等名: 宣教に伴う言語学第二期プロジェクト研究会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2010-10-03
• [学会発表] 「ひですの経」の仮名活字について (2009)
  • 著者名/発表者名: 白井純
  • 学会等名: 宣教に伴う言語学第二期プロジェクト研究会
  • 年月日: 2009-11-16
• [図書] ひですの経
  • 著者名/発表者名: 折井善果,白井純,豊島正之
  • 総ページ数: 1-386
  • 出版者: 八木書店