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2010 年度 実績報告書

日本語「書き言葉らしさ・話し言葉らしさ」測定法の設計

研究課題

研究課題/領域番号 21720166
研究機関大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所

研究代表者

佐野 大樹  大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, コーパス開発センター, プロジェクト特別研究員 (60455425)

キーワード書き言葉らしさ / 話し言葉らしさ / コーパス / 言語学 / システミック / 語彙密度 / 修辞 / 評価表現
研究概要

本研究では、日本語の「書き言葉らしさ・話し言葉らしさ」の計測方法を設計するため、(1)英語研究などで用いられている既存の計測方法を用いた「書き言葉らしさ・話し言葉らしさ」の測定、(2)既存の計測方法の評価及び問題点の整理(言語学的分析・統計的検証)、(3)有効な計測方法の設計、及び、論文発表やWebによる発信の手順で研究を行う予定である。平成22年度は、(2)既存の計測方法の評価及び問題点の整理(言語学的分析・統計的検証)を行った。具体的には、量的分析法としては「語彙密度(lexical density)」の日本語における適応方法を考案し、これを国立国語研究所が中心となって構築した『現代日本語書き言葉均衡コーパス』に適用し、「書き言葉らしさ・話し言葉らしさ」をテクストにおける情報の密度という観点から計測した。計測結果を日本図書コードなどの情報と比較し、語彙密度が表す値の性質について評価した。また、質的分析法としては修辞ユニット分析(Rhetorical Unit Analysis)の日本語への適応方法を考案し、「書き言葉らしさ・話し言葉らしさ」をテクストの脱文脈度(具体的な現象を扱うテクストか、一般的な現象を扱うテクストか)という観点から測定した。計測結果を、被験者3名の「書き言葉らしさ・話し言葉らしさ」の印象と比較し評価した。さらに、これら2つの観点に加えて、テクストの主観性と客観性が「書き言葉らしさ・話し言葉らしさ」に影響することを考慮に入れて、ブログやインタビューなどに現れる「よい」「わるい」などの評価表現の分析も行った。平成23年度は、評価結果を踏まえて計測方法を改善し、これを社会に発信する予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] ベストセラーの文体的特徴-『現代日本語書き言葉均衡コーパス』を用いた一考察-2011

    • 著者名/発表者名
      佐野大樹
    • 雑誌名

      ことばと人間

      巻: 8 ページ: 34-46

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本語における評価表現の分類体系~アプレイザル理論をベースに~2011

    • 著者名/発表者名
      佐野大樹
    • 雑誌名

      信学技報

      巻: 110(400) ページ: 19-24

  • [雑誌論文] 選択体系機能言語理論を基底とする特定目的のための作文指導方法について-修辞ユニットの概念から見たテクストの専門性-2010

    • 著者名/発表者名
      佐野大樹
    • 雑誌名

      専門日本語教育研究

      巻: 12 ページ: 19-26

  • [学会発表] 患者の語りにおける感情表現の使用傾向-『アプレイザル評価表現辞書(態度表現編)』を用いた乳がん患者・前立腺がん患者の語りの分析-2011

    • 著者名/発表者名
      佐野大樹
    • 学会等名
      第27回社会言語科学会研究大会
    • 発表場所
      (中止 論文掲載にて発表済扱い)
    • 年月日
      2011-03-20
  • [学会発表] 『日本語アプレイザル評価表現辞書(態度表現編)』の構築~評価の多様性を捉えるための言語資源の開発~2011

    • 著者名/発表者名
      佐野大樹
    • 学会等名
      言語処理学会第17回年次大会(NLP2011)
    • 発表場所
      豊橋技術科学大学(愛知)
    • 年月日
      2011-03-08
  • [学会発表] 評価表現の分類体系構築の試み-日本語分析におけるアプレイザル理論(attitudeについて)の再構築-2010

    • 著者名/発表者名
      佐野大樹
    • 学会等名
      日本機能言語学会秋期大会
    • 発表場所
      新潟大学(新潟)
    • 年月日
      2010-10-10
  • [学会発表] アプレイザル理論を用いた「健康と病いの語り」における感情・評価表現の分析-症状の変化と「語り」の変化の関係-2010

    • 著者名/発表者名
      佐野大樹
    • 学会等名
      計量国語学会第54回大会
    • 発表場所
      大正大学(東京)
    • 年月日
      2010-09-11
  • [学会発表] 「病院の言葉」の類型の推測とモデル化-『現代日本語書き言葉均衡コーパス』における語の使用度数を用いた一考察-2010

    • 著者名/発表者名
      佐野大樹・田中牧郎・丸山岳彦
    • 学会等名
      日本言語学会第140回大会
    • 発表場所
      筑波大学(筑波)
    • 年月日
      2010-06-20

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公開日: 2012-07-19  

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