研究概要 |
[平成21年度前半]日本在住経験のある元/現宣教師に対するインタビュー調査の準備および現地(アメリカ・ミシガン州)での調査を行った。現地調査では,元/現宣教師,計13名に平均1時間強程度のインタビューを実施し,東京日本語学校等における日本語や日本文化の教授メソッド・教授内容を詳細に聞き取るとともに,学校組織以外での日本語や日本文化学習に関する個人的な学びの経験,困難について聞き取りを行った。同時に,宣教師によって書かれた手記やそれが掲載された雑誌の存在,また改革派教会の日本での活動に関する資料についての情報および収集方法に関する知識を得た。[平成21年度後半]インタビュー調査の結果の文字化を進めた。[研究実施内容の意義]占領期終了直後から1960年代にかけての日本語・日本文化教育および学びについて,従来の文献調査研究や教育者の回想ではなく,学習者自身の語りを通して実態を明らかにしうるという見通しを得た。他方で,当初の分析対象であった占領期については,インタビュー対象者に当該時期に在日していた者がおらず調査しえなかった。占領期下については,当時の文献収集・分析,宣教師以外のアメリカ軍関係者等を調査対象とするなど,別の研究方法が求められよう。
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