調査報告、発表 21年度にS市で行った外国人児童生徒の教科学習習得状況の調査結果を、異文化間教育学会第31回大会で発表(テーマ:外国人児童生徒の教科への評価から見えてくること一国語と算数(数学)の習得状況に対する教師の評価より一)。また、同調査結果をブラジル人学校(H校)や21年度に調査を行ったブラジルの学校、ブラジルサンパウロ州の教育庁へ報告。 具体的な支援活動への取り組み:高校進学説明会の実施をS市とブラジル人学校(H校)に提案。 ブラジル人学校(H校)での調査(23年3月) 小学高学年生徒、中学生、高校生、保護者へ進路希望調査を実施(アンケート用紙使用)。現在調査結果を分析中であるが、多くの保護者や生徒がブラジルや日本での進学を希望しているものの、経済的理由等で困難な状況が明らかとなった。これらの調査結果を来年度予定している同校での進学説明会に役立て、具体的な提案を行う予定である。 ブラジル調査(2回目) 21年度に行ったブラジル調査で、インタビューした子ども達や教師、保護者への追跡調査を行うとともに、新たに来日経験のある子ども達や、教師、保護者にインタビュー調査を行い、帰国した子ども達の状況を調査した。以下に今回の調査結果を追跡調査とその他の調査に分けて示す。 ・追跡調査:昨年度インタビューした子ども達(4名)とその保護者(2名)に追跡調査を行ったところ、帰国1年目とは違った問題が明らかになった。家庭問題としては、保護者の仕事の問題、離婚、宗教などが子どもに大きな影響を与えている。学校問題としては、何の問題もなくポルトガル語での教科学習についていけている子とかなり遅れている子、友達関係の変化などが見られた。 ・その他の調査:サンパウロ州立学校を訪問し校長と主任教師にインタビューした。州立学校と市立学校、私立学校では教師への待遇の差が大きく、これが教育にも大きな影響を及ぼしていることが分かった。また補習授業のあり方が学校によって違い、帰国児童生徒にも影響していると推測できる。
|