本研究では、日本語を第二言語(外国語)とする話者にとって積極的な会話参加はどのような状況下で困難または容易であるのか、そして会話の主導権を握るためにはどのような言語ストラテジーが必要であるのかを探求するために、学習者が参加する複数話者による会話行動の質的な分析を行う。検証を行うにあたり、学習者グループと母語話者グループに計5回(1回約30分)、様々な提示されたトピックについて話し合いをしてもらい、その談話資料をコーパスとして会話分析法を用いて検証を行った。また、その考察からサブ・テーマとして「伝達をする(コミュニケーション)能力」とはそもそも何か、どのようなリソースを用いて我々は相互行為的な伝達を行うのか、という問題にも敷衍し、話し合い場面の他にすでに資料として持っていた、教室内活動の場面なども加えて検証を行った。成果として、海外学術論文2本を研究期間中に出すことができたが、今後も本研究の成果の一部として2012年と2013年に2本、編著に掲載を予定している。
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