研究概要 |
本研究の目的は、英語の熟達度を評価するために、英語ライティングタスクを開発し、その妥当性を検討することである。理論的基盤として、Manfred Pienemannによる処理可能性理論(Processability Theory)を援用する。また、同期型コンピュータ媒介コミュニケーション(Synchronic Computer Mediated Communication,SCMC)を用いたライティングタスクを活用し、コーパス分析の手法を用いた評価システムを開発する。初年度である平成21年度の研究の目的は、ライティング評価の概念的妥当性の検討を統語構造に焦点を当てて行うことであった。その目的の達成のために、次の3点を行った。第一に、処理可能性理論及びタスクに関する文献の収集を行った。平成21年9月には、英国ランカスター大学で行われた第3回タスクに基づく言語教育に関する学会(The 3rd Biennial Task-based Language Teaching)に出席し、情報収集を行った。第二に、Sakai(2004,2008)などで用いられたタスク(間違い探しタスク、物語作りタスクなど)をSCMC上で利用できるようにした。そのタスクを基にしたライティングデータを日本人英語学習者である大学生から収集した。現在、ライティングデータを統語構造の観点からコーパス分析を試みている。さらに、分析で使用した正規表現を整理している。
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