研究概要 |
本研究の目的は,語学学習者に対し,その一人ひとりの持つ語学レベルに応じて適切な語学学習用コンテンツ(テキスト)をアダプティブに提供するための仕組みを理論的に考え,Eラーニング用途にWebアプリケーションとして実装することである,平成21年度は「テスティング領域から項目応答理論の適用を考案」の観点から静岡産業大学情報学部法月健准教授,「実験デザインの構築」の観点から大韓民国大真大学教養学部長谷川由美教授に研究協力を仰ぎ,日本語リーダビリティ式構築実験に専念した上で,以下を討議した: ・ リーダビリティ式として肝要と思われるパラメータの選定 ・ 実験の実施に必要な各種ドキュメントの作成・作問 (日本語テキストならびに対応する問題の作成,Q & Aやアンケートなど) ・ リーダビリティ式開発環境構築 なお,初年度は被験者が正しくリーダビリティ式を作成し,確実に(式作成後)適切なテキスト検索を行える環境構築を第一義に置くため,テキストはあらかじめこちらで用意することとする. 具体的に申請者が着想したのは,既に世界中で開発されている「文書の可読性」を表す従来のリーダビリティ公式を,公式としてではなく,個々の学習者が能動的あるいは自動的に算出するリーダビリティ式として再定義し,その式によって導かれるリーダビリティレベル(実数値)を元に,学習者が指定したレベル値のコンテンツをインターネット上で自動検索させるプログラムを開発することである.それを念頭に置き,学会誌投稿や発表を行った.結果,当初の予定を上回る,論文1件,国際学会発表1件,国内学会発表2件を行った.
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