研究概要 |
平成21年度は文献調査を進めることを中心に,現在までの第二言語語彙研究の先行研究を敷衍することで,従来の第二言語語彙研究における分析の枠組みを見直し,今後の展望を示すことを目的とした。具体的には,分析の際に,処遇として与えられる「処理」,そしてその「適正処遇交互作用」の観点から改善点をまとめることとし,「転移適切性処理理論」のEFL環境における応用可能性についてレビューを行った。この文献調査の結果を基に,日本人英語学習者の語彙学習方略と動機づけという適性の観点から,語彙教授において頻繁に用いられるリストを用いた教授法との関係性を明らかとするため,調査を行った結果,(1) 動機づけの高い英語学習者は,自らの学習経験に応じて語彙の学習方略を選択すること,(2) そのタスクの要求に応じて語彙学習方略を変容させることが明らかとなった。また,これらの結果について,理論的な基盤を擁するために,引き続き,先行研究のメタ分析により,効果的な教授法を模索し,先行研究について,効果量を用いたメタ分析を行うことで,語彙の教授法の効果の再検証を行っている。 そして,上記の文献研究より次年度に計画されている反応時間を用いた教授法の効果測定に向けた調査計画の設定および調査計画を確定した。
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