研究課題
外国語を効果的に使うためには、文法的正確さのみならず、相手や状況に沿った丁寧度や親密さを的確に表現することが必要である。だがそのような社会文化的状況に適切なプラグマティックス(語用論的視点)を取り入れた外国語指導や評価法はまだ発展途上であり、語学教員はこの分野に沿った特別な教員養成講習を受ける必要がある。本研究はプラグマティックス(語用論)を今後効果的に語学教員養成に取り入れていくために、日本や米国においてプラグマティックスが実際に取り入れられている語学教員対象の講座にてデータ収集し、語学教員の認識や指導・評価技能の発展を検証するものである。具体的な活動内容としては、2009年7月米国ミネソタ大学でのプラグマティックス指導についての夏期講座、および2009年8月法政大学でのプラグマティックス指導についての教員免許更新講習を研究者が担当した際に、受講した語学教員のリフレクションやクラス内のディスカッションの録音記録・教案・評価案などをエスノグラフィーの手法を使った研究のデータとして収集した。データ分析は主に音声データの書き起こしやリフレクション・教案などのドキュメント分析、および指導教員であった研究者本人のティーチング・ジャーナルを基にしたフィールドノートにて行われた。論文では、参加教員の知識・信条・技能の発展を具体的例を挙げて考察し、今後の語学教員養成におけるプラグマティックス指導の成果や限界について報告する。2009年12月の大学英語教育学会(JACET)関東支部月例研究会や2010年3月アメリカ応用言語学会などの学会で中間報告し、今後は学会発表の結果を取り入れ原稿を修正し、語学教員教育の国際ジャーナルに投稿する予定である。
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http://www.i.hosei.ac.jp/~ishihara/