平成21年度(初年度)の研究の目的は、今までの基礎研究の流れを受け、大学レベルでの英語学習意欲の動機減退要因を明らかにすることであった。学習意欲に関する文献研究を主に進め、勤務校の大学1・2年生に対して大学レベルでの英語クラスにおいてどのようなことが学習意欲の減退要因となってきたか聞き取り調査を行った。また国内の学会を中心に英語学習の意欲に関して影響する要因に関しての資料収集を行った。 その結果を踏まえ、年度末の2月にハワイ大学に出向き、Richard Schmidt教授、Kentaro Hayashi教授から現状の研究状況に照らし合わせ、専門家指導を受けた。その上で本研究の量的分析で核となる構造方程式モデリングに関する更なる理解とインタビューデータの分析に基づいた学習動機減退要因と既存の学習意欲に関する諸理論の関連性に関して理解を進めた。現在はインタビュー・データの書き起こし、及び分析を進めているところである。 2年度目にあたる平成22年度は、1年目の研究成果に基づき、コミュニケーションを目的とする大学レベルでの英語学習に関しての聞き取り調査、及び質問紙による調査をすすめる。その上でパイロット・スタディー及び本研究を年度内に行う予定である。現在のところ聞き取り調査のなかで勤務校の学生の間ではコミュニケーションを目的とする英語指導がなかなかなされていない現状が明らかになってきており、次年度はさらに多くの学生に聞き取り調査を行い、さらに詳細な調査を行う予定である。
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