研究課題
2009年度は海外文書館での史料調査とその分析にもとづく、4ヶ所の国際学会での英語報告が主な活動であった。史料調査をおこなった主な史料館は次のとおりである。(1)『モンスーン文書 リスボンコレクション』(ポルトガル トルレ・ド・トンボ文書館)(2)『マスカレーニャス文書』(ポルトガル エヴォラ文書館)(3)『モンスーン文書 ゴアコレクション』(マイクロ 海外領土史料館ポルトガル;インド ゴア歴史文書館)(4)『日本・中国布教区文書』(イタリア ローマ イエズス会文書館)とくに(3)のゴアコレクションは、16世紀から20世紀までのポルトガル領インディアの行政文書であり、日本に関しても多くの情報が含まれるが、複雑な政治状況と情報不足から、先学の研究による実見調査はなされてこなかった。7月のポルトガル海外領土史料館におけるマイクロフィッシェ分析を経て、ゴアで文書を実見する必要性を感じたため、9月にゴアを訪問し、文書館調査をおこなった。これにより日本関係文書1500葉分をマイクロフィルムにて収集した。但し、これは17世紀前半の日本関係部分に限るため、今後の調査によってより幅広い年代の日本=マカオ関係文書の調査と蒐集を将来的に計画している。これらの新規蒐集文書を用いて、主に17世紀初頭の長崎貿易における、銀の投資に関する情報を抽出し、これまですでに取り組んできたマカオ=長崎間貿易における銀の冒険貸借について、新たな分析を加えた。これらの研究はフランス高等科学研究所(CNRS)の研究者らから注目を集め、今後の日仏共同研究課題として取り組まれることとなった。なお2009年度は海外での調査・学会活動が主であったため、物品費や謝金等に充てる予定であった予算を大輻に旅費へと移行した。
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『舟山普陀与東亜海域文化交流』(郭万平、張捷編)
ページ: 59-76
民博通信 127
ページ: 6-7
Canton and Nagasaki Compared 1730-1830, Dutch, Chinese Japanese relations, Intercontinenta 26
ページ: 261-272
The Proceedings of the First Congress of the World Historians 1
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