研究課題
本研究「国内体制間関係からみる日本近世対外関係史試論-長崎を事例に」は、主として、近世中後期(18・19世紀)を、分析対象の年代とする。近世都市長崎は、オランダ出島商館や唐人屋敷・奉行所を含む長崎都市社会・長崎に関わる九州諸藩(佐賀藩・熊本藩を中心に)という三つの作業概念上の要素から成り立っていると考えることができる。本研究では、そられ相関関係を、その媒介項と位置づけられる、各藩が設置した長崎蔵屋敷と、商館に出入りする通詞や商人などの集団に着目し、解明することを目指した。平成22年度は、平成21年度の調査を前提にした論文を公刊した。平成22年度は、国内調査を行い、関係史料の発掘・分析を行った。本研究では、特に九州諸藩については佐賀藩・熊本藩を中心とすることから、佐賀藩については佐賀県立図書館寄託鍋島文庫の調査を行い、さらに熊本については熊本大学附属図書館寄託永青文庫の調査撮影を行った。また長崎関連文書の調査の一環として、長崎県長崎市長崎歴史文化博物館所蔵史料の調査をおこなった。特に、各藩の長崎蔵屋敷に出入りした通詞たちの存在に注目し、関係する諸史料を複写・収集した。22年度の学術的に得た知見は、平成23年度末に著書として発表する予定である。
すべて 2010
すべて 雑誌論文 (3件)
日本の対外関係6 近世的世界の成熟(荒野泰典, 他編)(吉川弘文館)
ページ: 151-170
18世紀日本の政治と外交(藤田覚編)(山川出版社)
ページ: 163-191
British history 1600-2000 : expansion in perspective(Edited by Kazuhiko Kondo and Miles Taylor)(Institute of historical research University of London)
ページ: 59-62