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2009 年度 実績報告書

生態系からみた近世の自然環境の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21720235
研究機関琉球大学

研究代表者

武井 弘一  琉球大学, 法文学部, 准教授 (60533198)

キーワード近世 / 生態系 / 自然環境 / 「農業図絵」 / 金沢平野
研究概要

大規模な新田開発により、近世前期に日本の耕地は倍増した。水田が造成されたことで自然環境が一変したのだが、これが環境破壊なのかどうかは意見がわかれている。そこで注目したのは水田に棲息する生き物、たとえば魚・貝・鳥である。ヒトからみれば水田は耕地にしか過ぎない。しかし、生き物から見れば水辺となる。水田が水辺となり、そこに多くの生き物が棲み豊かな生態系が成り立っていたならば、近世の自然環境は豊かだったことを意味する。すなわち、生態系という視点から水田を研究することで、近世の自然環境の豊かさを検証する。これが本研究の目的である。初年度にあたる平成21年度は、まず史料調査とフィールド・ワークを中心に研究を進めた。
分析する史料は、近世中期の金沢平野における百姓の暮らしを描いた絵農書「農業図絵」である。「農業図絵」の原本は今のところ発見されておらず、写本がいくつかある。そのつ西尾市岩瀬文庫が所蔵する写本の調査をおこない、これが最も原本に近いことを確認した。次に「農業図絵」に描かれているのは金沢平野なので、そこを領する加賀藩の史料調査を金沢市立玉川図書館近世史料館でおこなった。
今日の水田は圃場整備がおこなわれているため、水田に棲む生き物が少ない。近世とは明らかに生態系が違う。そこで圃場整備があまり進んでいないタイ東北部を実地踏査し、水田漁撈に注目することで、近世でどのような生態系が成り立っているのかを考察した。また、水田漁撈に欠かせない道具として筌がある。今でも筌漁がおこなわれている庄内平野でもフィールド・ワークをおこない、数多くの筌が展示されている財団法人致道博物館では、その材料・使用法などを調査した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 近世日本における水田漁撈の可能性2009

    • 著者名/発表者名
      武井弘一
    • 雑誌名

      琉大アジア研究 9

      ページ: 113-117

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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