本プロジェクトは、アジア主義者らのネットワークに支えられたアジア各地の民族運動が激化する中で、イギリス帝国をはじめとした帝国秩序が変更を余儀なくされていった1930年代において、日本がどのようにその状況を認識し、対応していったのかを明らかにしたものである。具体的な成果は2012年2月に『帝国日本の拡張と崩壊-「大東亜共栄圏」への歴史的展開』(法政大学出版局)として上梓したが、1930年代のアジア民族運動の勃興を利用する目的で打ち出された「大東亜共栄圏」構想が、日本の建前を逆用した政治主体らの抵抗を受けて崩壊していった過程を明らかにした。
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