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2009 年度 実績報告書

進歩的教育学者におけるナショナリズムに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21720248
研究機関福岡大学

研究代表者

福嶋 寛之  福岡大学, 人文学部, 講師 (20441735)

キーワード進歩的教育学者 / 宗像誠也 / 総力戦 / 社会主羲 / ナショナリズム / 教育と政治 / 国民教育運動
研究概要

本研究の目的は、戦後教育におけるナショナリズムの位相をあえて政策主体たる政府・文部省ではなく、それとは対抗関係にあった進歩的教育学者に即して明らかにすることにある。この課題に対し、第1年次は大きく以下の2つの課題を設定し、以下のような成果を得た。
第1の課題は、最も代表的進歩的教育学者・宗像誠也(東京大学、日本教職員組合講師団)に即した戦前・戦中・戦後を通貫させた思想史的分析であり、本研究のいわば背骨に相当するものである。その結果、昨今における戦後の前提として戦時期に注目する研究に対し、本研究では、戦中期一般ではなく敗戦直前の戦争末期こそが戦後を直接規定したエポックであること、具体的には戦争末期という状況ゆえに浮上する情緒的なナショナショナリズムこそ、戦後進歩派のナショナリズムとして継承され、かつ主張の核心部分を構成するものであったこと、などを明らかにした(この成果は近日刊行される)。第2年次は、この成果をもとに1960年代まで分析を及ぼす予定である。
第2の課題は、上記の思想史的=言説分析と並行させた、進歩的教育学者の政治的位置を測定することにあり、その方法として人的結合関係に注目するという方法をとるものである。当初は、上記宗像ら中心メンバーが敗戦直後の文部省に一時在籍していたことから文部省の人事データを復元し、その後の彼等の軌跡をたどっていく方法を想定していた。しかし、作業途中で古書店より、進歩的教育学者が中心になって編集された雑誌群がまとまった形で入手できたことから、当該雑誌群の網羅的分析に手法を切り替えた。というのも、それによって人脈や集団としてのモチーフが直接的な形で抽出でき、先に掲げた第2年次以降の課題である1960年代に至るまでの思想史的分析が着手可能となるからである。現在、本格的な分析に備え、適宜データ・ベース化を進めている段階である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] エポックとしての戦争末期―進歩的教育学者・宗像誠也における戦後の出発―2009

    • 著者名/発表者名
      福嶋寛之
    • 学会等名
      九州歴史科学研究会12月例会
    • 発表場所
      西南学院大学
    • 年月日
      2009-12-26

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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