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2009 年度 実績報告書

出土文献を用いた西夏王国の交通制度に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21720256
研究機関新潟大学

研究代表者

佐藤 貴保  新潟大学, 超域研究機構, 准教授 (40403026)

キーワード西夏 / 交通制度 / 中央ユーラシア史 / 西夏語文献調査 / ロシア
研究概要

本研究では、10世紀末~13世紀初頭の中国西北部にあった西夏王国における交通制度を解明していく。具体的には、駅伝制度や旅行者が携行する通行手形の種類とその使い分けがどのようになされているか等を、制度面については法令資料から、制度の実際の運用状況については行政文書群から解明する。そして、広大かつ乾燥した砂漠地帯が支配地域の大部分を占める西夏の交通制度が環境・風土に応じた特色を有しているのか、西夏を征服したモンゴル帝国が西夏の交通制度を継承していたのか否か両者の相違点を検証する。
本年度はまず、12世紀中葉の西夏で編纂された法令集『天盛禁令』の交通制度に関連する条文計48条(全文西夏語)を既刊のテキスト写真版をもとに読み進めた。しかし、写真版での画像は不鮮明であるうえ、未公刊のテキストも存在することから、平成22年1月にテキストのマイクロフィルムを所蔵する東京の財団法人東洋文庫で調査画像を閲覧し、さらに平成22年2月にはテキストの現物を収蔵するロシア科学アカデミー東方文献研究所(サンクト=ペテルブルク市)で実見調査を行なって、最終的かつ完壁な録文を作成することができた。
調査の結果、既刊の写真版からは判読できなかった箇所を新たに解読することができ、先行研究による条文の解釈に誤りがあることが判明した。そして、通行手形を表現する西夏語が複数あること、公的旅行をする者が「頭子」なる書式の文書を携行していたこと等が明らかになった。東京・ロシアでの調査を経たうえで、条文を再度読み直し、その訳注を学術雑誌に投稿した(平成22年5月末刊行予定)。また、行政文書の一部についても既刊の写真版を基に検討し、そのなかの「頭子」という語句の現れる文書の解釈について平成22年3月に学会報告を行なった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 13世紀初頭カラホトにおける西夏軍-軍籍文書の分析から-2010

    • 著者名/発表者名
      佐藤貴保
    • 学会等名
      第38回中央アジア学フォーラム
    • 発表場所
      大阪大学文学部(大阪府)
    • 年月日
      2010-03-27

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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