本研究では、まず、等値線に基づいて地域区分を行う方法を提案した。そして、提案された方法および既存地域区分法方法を、そのさまざまなケースに対して適用し、この適用結果から、いずれの方法が優れるか明らかにすることを試みた。その結果、空間単位数がごく少数の場合、平均的には等値線に基づく方法が、部分地域内部の均質性の点で、他方法を上回った。ただし、空間的自己相関傾向が強い場合、あるいは、空間単位属性が多変量であり、変量間相関関係が弱い場合については、必ずしも等値線に基づく方法が優れないことも示した。以上のように、等値線に基づく方法が優れない場合はあるものの、空間単位数が多くなれば、こうした弱点は目立たなくなるように見受けられることも示した。なお、等値線に基づく地域区分を実行する算法については、今後とも研究すべきいくらかの課題を残した。
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