本研究は、 ヨーロッパ統合下の国境地域における越境的な地域連携の形成と発展の過程を分析し、そこにおける新しい地域ガバナンスのあり方や地域形成のメカニズムを考察した。独仏スイス国境のオーバーライン地域を調査対象地域とし、ライフサイエンス関連の産業集積を促進するバイオバレー事業を事例とした。同地域では、既存のガバナンスとの相互依存/対立関係を孕みながら、 地域的資源の相互依存関係を基盤としたネットワーク関係が構築され、越境的な連携空間が実体のある新たな地域へと形成されていくプロセスが明らかとなった。
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