研究課題
本研究課題の目的は、企業の「知識生産」に着目し、特許等のデータベースを利用した定量的な分析とフィールドに基づいた定性的な分析とを接合することによって、研究開発機能の立地と研究者・技術者の地理的分布からハイテク産業の集積効果を明らかにすることである。ハイテク産業のうち、半導体・FPD産業を対象として、メーカーの社内技報、学術誌、特許等のデータベースなどを用いて、製品分野別・技術分野別の研究開発活動を時系列で整理し、研究所・開発センター等の立地データとのマッチングから地理的な分布の検討を行った。これらのデータベースによる考察と合わせて、シンガポール、マレーシア、アメリカ・シリコンバレーで現地ヒアリング調査を行い、問題の所在を確認するととともに、論点の精査および検討を進めた。特にフィールド調査では、日系企業の海外展開および立地行動のグローバル化に関して、ハイテク製品の分業関係に焦点をあてるとともに、研究開発について立地調整の状態を把握する目的で行った。また、共同研究や産官学連携に注目して、集積間の研究開発活動にも注目し、国内では産業クラスター政策や知的クラスター政策の各種施策に関わる機関・施設の資料分析、国際的には大手企業による研究開発活動の広報資料をもとに分析を行い、定量的なデータベースと合わせた多面的な考察を進めた。これらの成果については、国際学会と国内学会で口頭発表するとともに、学術誌「研究 技術 計画」で特集号を編集し、学術論文1編を刊行した。
すべて 2010
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)
研究技術計画
巻: Vol.24, No.4 ページ: 348-362