研究概要 |
1.本研究(モビリティ・マネジメントにおけるバス交通サービスと居住者の空間特性に関する研究)は、(1)自動車の利用からバス交通に転換しようとする個人は、どのような特徴を持つ地域に居住しているか、空間的な分布を解明すること、および(2)居住者の周辺におけるバス交通のサービス環境との関係を明らかにすることを目的としている。 2.研究期間の初年度にあたる平成21年度は、京都府宇治地域において公共交通マップの配布とアンケートの回収を行った。宇治市内の4,300世帯に公共交通マップとアンケート用紙を配布し、651通の有効回答が得られた。本研究の意義とこれまでのモビリティ・マネジメントにおける地理学的な課題を経済地理学会のフロンティアセッションにて発表した。また、既存の統計から交通行動を把握する手法の試論としてじんもんこん2009に公表した。京都市西京区洛西地区におけるモビリティ・マネジメントについては、平成21年度注に複数事業者の交通情報を統一した路線図やダイヤ調整が実施されたため、研究対象地域を変更して実施する予定である。 3.京都府宇治市内の調査結果については回収したアンケート結果を(1)バス停に近い・バスの本数が多い場所、(2)バス停に近い・バスの本数が少ない場所、(3)バス停から遠い所・最寄りのバス停の本数は多い場所、(4)バス停から遠い・最寄りのバス停の本数は少ない場所に区分し、交通行動の変化における地域的な差異を明らかにする。その結果を最終年度に公表できるようにしたい。くわえて、アンケート調査に継続して参加する意志のある人には、再度交通行動の変化を調査するアンケートを実施し、モビリティ・マネジメントの継続的な効果を検討する。
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