研究概要 |
高地~低地のブラマプトラ川流域を対象に,短期間に発生する洪水氾濫が微地形に与える影響を復原し,居住域としての集落域や水田や畠・畑作などの生産域の変容過程を明らかにすることを目的として,三年目の現地調査と成果の公表を行った. 二年目までの現地調査で不足していたデータを補うべく,インド北東部山岳地域~ブータン東部(高所)と,下流地域のバングラデシュ(低地)の最下流域を対象に,研究対象国の政情を把握しつつ,他の関係研究プロジェクトと整合性を持ちながら,現地調査を行った.昨年度から研究対象地域は外国人の入国制限が厳格化されたため,他の関係プロジェクトで現地調査を集中して行い,本年度の本研究では,成果の公表のための作業を中心に行った.また,比較対象地域であるイラワジ川流域のミャンマーで,研究対象地域の共同研究者とワークショップを開催し,研究成果の公表と現地研究者らとの情報共有を行った. 以上の結果,(1)低所では,約1300年前頃の地形環境の安定期に民族移動を伴う土地開発が行われたことが示唆され,逐次その成果を公表した.また,(2)高所に関しては,約一千年前以降に民族移動が活発化した知見を得ることができ,その成果を論文として公表した.さらには,研究成果の公表通知や現地情報,さらには,思考過程を公表する媒体としてのオフィシャル(公式)Webサイトを再構築した.
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今後の研究の推進方策 |
最終年度にあたるため,成果の公表作業の段階で,これまでの現地調査によって不足しているデータを把握し,現地調査によって補足調査を行う.また,成果の公表のための作業と現地の共同研究者らとの知見の共有につとめる.
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