研究課題/領域番号 |
21720319
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田所 聖志 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特任教授 (80440204)
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キーワード | 文化人類学 / 石油開発 / 地域主義 / アンガ / テワーダ |
研究概要 |
本研究課題の目的は、パプアニューギニアの周辺社会の集団における石油資源開発とエスニック・アイデンティティーの高まりとの相関関係を検証することである。 2011年度の研究目標は、3つのアンガ系集団、すなわち(1)テワーダ、(2)カメア、(3)メンイェのそれぞれについて次の通りである。(1)テワーダに関しては、平成21年度と平成22年度に収集した文献資料とインタビュー資料の分析を行い、石油開発によるエスニック・アイデンティティーの意識の高まりと、医療制度の導入および都市部との往復移動による社会変化との関連について明らかにする。(2)カメア、(3)メンイェについては、すでに収集した文献資料とインタビュー資料の分析を行い、石油開発を契機として始められた住民による行動を明らかにする。 2011年度は、7月にオーストラリア・パースで開催された国際人類民族科学連合中間会議に参加し、研究発表を行うと共に、当該研究課題に関わる最新の知見についその収集を行った。8-9月にパプアニューギニアを訪問し、南部高地州とガルフ州において液化天然ガスの資源開発に関する現地情報の収集を行った。これまでの調査地に加え、南部高地州を訪問先に加えたのは、当地で液化天然ガスの開発が進行しており、参考となる情報の収集が見込めたためである。 データ分析については、新しく収集した資料、および、これまでに収集した現地文献資料とインタビュー資料の分析を行った。なかでも、都市部との往復移動と社会変化との関連に関する分析が進展したため、研究発表として学会で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに収集した現地文献資料とインタビュー資料の分析・論文作成作業は順調に進展している。国内外での学会参加を通じて知己を得た研究者との意見交換を参考としながら考察を深めている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は研究の時間配分の重点をデータ分析から執筆活動に移し、研究成果の達成に向けて計画を進める。
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