研究課題/領域番号 |
21720325
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研究機関 | 聖心女子大学 |
研究代表者 |
石井 洋子 聖心女子大学, 文学部, 講師 (30431969)
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キーワード | 開発と文化 / 社会人類学 / ケニア共和国 / 国家政策 / ギクユ人 / イギリス植民地政策 |
研究概要 |
本研究の目的は、東アフリカ農村の社会人類学的な比較研究を通じて、開発と文化の総合的な理解を目指すことにある。周期的な干ばつに見舞われるケニアでは、多くの命が危険にさらされ、国際機関を通じての緊急援助の必要性が叫ばれている。それに対して、国家政策としては、ダム建設と並行して集水地域となる森林地帯の保全が必要不可欠であり、1990年代以降、多くの外国援助資金を受けてケニア山周辺の森林管理体制を強化している。こうした森林保護政策は、保全という名において、資源の持続可能な活用としての森林開発を射程に入れたものである。そこでは、ギクユ人住民に森林管理を担わせる住民参加型の原型とも言える方式を採用した一方、その事に関係する諸機関での議論が拮抗している点に、研究題材としての検討の余地が残されていた。具体的には、ケニアの「ダム建設プロジェクト」が展開する村落調査、および関連資料の収集と同レベルに語るための調査項目として、例えば、森林に居住する住民への政策的対応(強制退去との関係)、森林に隣接する村落に住む住民の森林利用と政府との関係、新たな住民組織の形成と連合体の関係(社会的ネットワークの形成)などが考えられる。この事に関する歴史的な調査(イギリス植民地時代を通じた)を開始した。報告者は、1995年以来、ケニアでのフィールドワークを実施しており、これまでの研究成果と合わせて、上記に関わる村落調査に向けての準備を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成23年夏に現地調査を予定していたが、大震災の影響で計画停電の恐れがあり、1歳になったばかりの息子を置いていくことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
上記に記した問題点に対して、本年度は現地調査を実行する予定で計画をしている。研究計画の大幅な変更については考えていない。
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