本研究は、マレーシアにおける上座仏教展開のローカル化の諸相、華人信者と僧侶の実践の在り方について考察することを目的とするものである。マレーシアは伝統的に上座仏教圏に属さないが、多民族国家としてタイ、ミャンマー、スリランカ由来の上座仏教寺院を中心とする上座仏教信仰とその実践がある。また、近年華人僧侶と信者を中心とする新規の上座仏教センターも増えている。本研究は後者の新規上座仏教センターの設立経緯、活動を考察したとともに、華人僧侶と信者たちの多様な実践形態、マレーシアの上座仏教の展開における彼らの役割について検討を行った。本研究では結論として、華人僧侶と信者を中心とする新規上座仏教センターの台頭、華人信者の存在と彼らのかかわりがマレーシアの上座仏教展開のローカル化の重要な様相であることを分析した。
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