H22年度は、当初計画で掲げた1.先行研究文献の収集およびその理解と検討、2.研究会の開催と分析枠組みの構築、3.事例調査と分析の3項目に沿い、昨年度の成果として設定した考察の視点である「支援を場から見る」ための方法論について関連文献の精査、研究会を通じた議論の蓄積、およびインドネシア南スラウェシ農村において現地調査を行った。 また、本研究の議論の場として研究代表者が主宰している「開発ファシリテーション&フィールドワーク」勉強会を4回にわたって開催し、研究を目的とする現地調査訪問と、長期的な視点にたった支援実践の具体事例や、国際協力の実務家を希望する院生によるフィールドワーク実習上の可能性と問題など、支援の場のフィールドワークを巡る課題について議論材料を蓄積し、理解を深めてきた。 この「場の概念」の検討を視座におきつつ、2011年2月にはインドネシア南スラウェシ州および南東スラウェシ州の農村と関連機関を訪問し、聞き取り調査を行った。 これらの研究活動の成果として、2011年4月に報告者が編集代表としてとりまとめた『支援のフィールドワーク』(小國和子・亀井伸孝・飯嶋秀治(編)、世界思想社)が出版された。また、その中でも開発援助現場でのフィールドワークに焦点を絞った議論については、「農村開発援助のフィールドワーク」(佐藤寛・藤掛洋子(編)『開発援助と人類学冷戦・蜜月・パートナーシップ』明石書店より近刊)が成果として出された。
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