研究課題
若手研究(B)
本研究は、近世前期(17世紀~18世紀前期)に中国のテクストの翻訳・翻案を通じて出現した一連の裁判小説の中に、中国の種本にも前後の時代の日本の文芸にも見られない民事裁判への強い関心が現れることの理由を、これらを生み出した当時の上方都市の社会構造の中に探ることを試みた。その結果、町人の地縁的・自治的共同体である「町」が民事裁判と深く結び付いており、この両者を支える意識の形成に付合の文芸である連句が関わっているのではないか、という見通しを得た。
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