強力な行政権と著しく限定された政治参加を特徴とする権威主義体制において、法による権力の制限を内容とする「法の支配」が、民主化運動とどのように結びついたのか、また1998 年に始まる民主化以降、「法の支配」を支える制度がどのように変化したのかについて研究を行った。そして、立憲主義を通じた行政権の制限を担保する制度として憲法裁判所に関する論文、および、市民社会の側からの「法の支配」を基礎とする民主化運動について、法律扶助運動に関する論文を発表した。また、関連研究として、東ティモールの平和構築における司法制度の役割に関する論文、災害復興行政に関する学会報告を行った。また、イスラム法に基づく統治と国家法制度の緊張関係に関する論文を執筆中である。
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