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2010 年度 実績報告書

グローバル化時代のペルーを中心としたラテンアメリカ型公共社会に関する比較憲法研究

研究課題

研究課題/領域番号 21730031
研究機関愛知県立大学

研究代表者

川畑 博昭  愛知県立大学, 日本文化学部, 准教授 (50423843)

キーワード公法学 / 公共社会 / グローバル化 / ラテンアメリカ / ペルー
研究概要

本研究はペルーを中心とするラテンアメリカ地域を対象に、国内における公共社会の形成がグローバル化によって規定されていることを、統治の基盤を成す社会構造とこれを方向づける歴史的文脈から明らかにしようと試みるものである。これには、内在的側面を指す前者にのみ目が向けられがちな従来の研究に比して、内在的側面と外在的要因を複合的に捉え、かつ前者と後者の論理的連関を解明しようとする点に特徴がある。そしてその具体的素材として、本研究が着目する近年のラテンアメリカにおける「新たな社会運動」に関する基礎的な文献の徹底的な収集および実態調査を行ってきた(2009年度)。
しかし2010年度は、ブラジル・ペルーの研究者との意見交換のなかで、(1)実定憲法上は「国民の体現者」と位置づけられる「共和国」大統領における「公共性」がどのように形成されるのか(公共=共和制)、(2)社会的側面のみならず制度的側面(一例としての憲法裁判所)に着目し、「現代型大統領中心主義」を想定した研究の重要性が明らかになり、この点について若干研究課題のフォーカスをシフトさせることができた。2010年度の研究成果はこれらの点を踏まえたものとなっている。論文では(1)を明確にしつつ、それをグローバル化のなかで剔抉する必要性を強調したものとなっており、これに対して講演は、「法と開発」というラテンアメリカ地域(概して低開発諸国と総称される地域)に固有の問題設定枠組みのなかで、社会開発(発展)のために法制度(裁判所や大統領)が担う役割はどのようなものであるのかについて、その文化的側面(ブラジルのjeito)を視野に入れたものとなっている。(2)については、しかし、「現代型大統領中心主義」を制度的に規定する憲法裁判所の考察がなお不充分である。2011年度の継続課題としつつ、これまでの研究成果の発表を急がねばならない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] "Direito e Desenvolvimento no Brasil para um"latino-americanista"japones".「日本人ラテンアメリカ研究者からみたブラジルの『法と開発』」(発表は全てポルトガル語)2010

    • 著者名/発表者名
      川畑博昭
    • 学会等名
      名古屋大学大学院法学研究科・名古屋大学法政教育センター主催・国際シンポジウム「『法と開発』をめぐる日本・ブラジルの対話」
    • 発表場所
      名古屋大学大学院国際開発研究科
    • 年月日
      2010-10-30
  • [図書] 憲法理論の再創造2011

    • 著者名/発表者名
      辻村みよ子・長谷部恭男編
    • 総ページ数
      299-310
    • 出版者
      日本評論社

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公開日: 2012-07-19  

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