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2010 年度 実績報告書

障害差別禁止に関する国際人権法の機能と限界

研究課題

研究課題/領域番号 21730040
研究機関東京大学

研究代表者

川島 聡  東京大学, 大学院・経済学研究科, 特任研究員 (60447620)

キーワード国際人権法 / 差別類型論 / 合理的配慮 / 障害観
研究概要

本研究は、「障害学」(Disability Studies)の視点を踏まえて、障害者権利条約等を手がかりとしながら、国内外の学説と判例を深く研究することにより、障害差別禁止に関する国際人権法の機能と限界を明らかにすることを目的とするものである。本研究を効果的に進めるためのカギとなるアイディアは、国際人権法の考察の中に「障害学」の知見を積極的に採り入れることである。
このような本研究の目的と計画に照らし、平成22年度は、たとえば次のような研究を実施した。まず、「障害者権利条約と「既存の人権」」と題する論文を執筆し、「障害学」の視点を踏まえて国際人権論を検討した。また、松井彰彦及び長瀬修との共編著『障害を問い直す』において、「差別禁止法における障害の定義-なぜ社会モデルに基づくべきか」と題する論文を執筆し、「障害学」の基本的視点である「障害の社会モデル」の概念を法的文脈において分析した(平成23度公刊予定)。
さらに、アイルランド(ゴールウェイ)で開催された障害者法のコロキアムでは、'Coexistence of the Minority and Universal Models of Disability : Is It Possible in CRPD?'と題する報告を行った。この報告では、「障害学」の知見を踏まえ、障害概念の理論的枠組みを検討した。
以上のような研究成果は、「障害学」の理論的発展にも資するものであるが、その理論的発展から得られた知見を国際人権法の(特に障害者権利条約)の文脈に代入することで、従来の国際人権法学には見られない新しい学際的方法を発展させたものと考えることができる。このことは、もちろん本研究の目的に資する学問的成果である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 障害者権利条約の基本論点2011

    • 著者名/発表者名
      川島聡
    • 雑誌名

      作業療法ジャーナル

      巻: 45(4) ページ: 355-361

  • [雑誌論文] 障害者権利条約と「既存の人権」2010

    • 著者名/発表者名
      川島聡
    • 雑誌名

      発達障害研究

      巻: 32(5) ページ: 4-15

  • [雑誌論文] マレーシアにおける障害者の法的定義-2008年障害者法を中心に2010

    • 著者名/発表者名
      川島聡
    • 雑誌名

      アジア諸国の障害者法-法的権利の確立と課題(小林昌之編)(日本貿易振興機構アジア経済研究所)

      ページ: 207-223

    • 査読あり
  • [学会発表] Coexistence of the Minority and Universal Models of Disability : Is It Possible in CRPD?2010

    • 著者名/発表者名
      川島聡
    • 学会等名
      Global PhD & Researchers Colloquium on Disability Law and Policy
    • 発表場所
      Galway, Ireland
    • 年月日
      2010-04-26
  • [図書] 障害を問い直す2011

    • 著者名/発表者名
      松井彰彦・長瀬修・川島聡編著
    • 出版者
      東洋経済新報社(発行確定)
  • [備考] 川島聡のHP

    • URL

      http://disabilitylaw.jp/

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公開日: 2012-07-19  

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