研究課題
研究2年目に当たる本年度は、前年度の研究を継続・発展させた。とりわけ、初年度に知己を得た外国人研究者との意見交換に努め、問題点の明確化に力を入れた。具体的には、比較法国際アカデミー第18回会議への参加に伴いMichaels教授(デューク大学)に連絡を採り、本研究課題に関するテーマにつき約2時間同教授と意見交換を行った(2010年7月27日、ワシントン)。また、同教授の紹介で参加したPrivate Law Theory Workshopにおいて、前年度執筆した論文に基づき"What is 'Law' in Conflict of Laws?"というテーマで報告し、各国の研究者と議論した(同月28日。とりわけ、抵触法における当事者自治の原則に否定的なRodl博士〔フランクフルト大学〕との議論が有益であった)。また、前年度知己を得たフランス抵触法研究者Remy教授及びBollee教授をフランスに訪ね、両教授の博士論文について質問し意見交換を行った(2010年9月16日から26日)。Remy教授の博士論文は外国強行的適用法規の適用に関するものであり、Bollee教授の博士論文は仲裁と国家法秩序との関係に関するものであって、何れも本研究課題に深く関るものであり、意見交換で受けた示唆は大きい。その他、北海道大学(グローバルCOEプログラム「多元分散型統御を目指す新世代法政策学」)主催の国際ワークショップでは、法のグローバル化に関し積極的発言を続けるTeubner教授(フランクフルト大学)と知己を得、また有益な意見交換をすることが出来た(2010年8月19日、北海道大学)。これらの意見交換から受けた示唆を熟考し、抵触法における公私協働に関する一般的枠組を最終年度に検討する予定である。個別分野については、1年目に研究の必要性を認識した仲裁と国家法秩序の関係について関西国際私法研究会で報告し(2010年7月24日、同志社大学)、また、知的財産権、及び、国家の立法政策も関係する代理懐胎について、国際シンポジウムや研究会で報告し、数本の論稿を公表した。
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