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2009 年度 実績報告書

契約の解除と催告解除

研究課題

研究課題/領域番号 21730068
研究機関小樽商科大学

研究代表者

遠山 純弘  小樽商科大学, 商学部, 准教授 (70305895)

キーワード民事法学
研究概要

本研究の目的は、これまでの民法541条が規定する催告解除をめぐる議論において催告解除がその他の解除原因に基づく解除と同じ効果を有し、しかも不履行に基づく解除の一般原則として考えられてきたことにかんがみて、催告解除が如何なる機能を有しているかを再検討し、それによって催告解除が解除法の中において如何なる意味を持っているのかを探求することにある。
本年度は、大きくわけると二つの研究を行った。第一に、本年度は、わが民法541条がその模範としたドイツ民法典、とりわけわが民法541条に直接の影響を与えた改正前ドイツ民法典における催告解除の機能を研究した。その結果、ドイツ民法典における催告解除は、不履行に基づく解除の一般原則としてではなく、給付がなされない場合にだけ行うことができ、また、催告解除によって債務者がした給付の受戻しは認められないことがわかった(それについては、「私法」掲載論文を参照)。加えて、本年度は、右の研究において十分に検討できなかった催告解除に基づく給付の返還請求の問題を分析した。本年度は、催告解除がそこに由来するとされるドイツ普通商法典における離脱制度を中心に分析した。そのけか、離脱は、債権者を給付の受領から解放することに意味を有し、給付の清算の問題については、機能していないことがわかった(「北海学園大学法学研究」掲載論文)。
本年度は、以上の研究と平行して、ドイツ法の検討から得られた催告解除の機能をもとに、ドイツ法系に属する法制度において催告解除が如何なる機能を有するかを分析した。ここでは、主としてオーストリア法およびスイス法を検討素材として用いた。これらの法制度における解除法および催告解除の検討から、これらの法制度とドイツ法においては、解除制度について違いが見られるものの、催告解除の実質的な機能、すなわち、催告解除は給付がなされない場合にだけ機能すること、また、催告解除によって債務者がした給付の受戻しは認められないことがわかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 契約の解除と民法541条2009

    • 著者名/発表者名
      遠山純弘
    • 雑誌名

      私法 71号

      ページ: 213-219

  • [雑誌論文] ドイツ法における催告解除と契約の清算(1)-催告解除は解除法における万能薬か2009

    • 著者名/発表者名
      遠山純弘
    • 雑誌名

      北海学園大学法学研究 45巻3号

      ページ: 493-520

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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