共同訴訟の成立要件と審判規律の関連性をめぐる歴史的・比較法的研究

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21730084
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 民事法学
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 鶴田 滋 九州大学, 法学研究院, 准教授 (90412569)
• 研究期間 (年度): 2009 – 2010
• キーワード: 通常共同訴訟 / 固有必要的共同訴訟 / 共同訴訟人独立の原則

研究概要

通常共同訴訟や必要的共同訴訟の成立根拠とそれらの審判規律は密接に関連しているのではないかという視点から、日本民事訴訟法における共同訴訟の成立要件と手続規律を、ドイツ法およびオーストリア法と比較しつつ明らかにした。たとえば、通常共同訴訟は訴訟経済のためにあるため、通常共同訴訟全体に主張共通の原則を認めるべきではないこと、固有必要的共同訴訟における合一確定の必要性は、共同訴訟の必要性から生じるため、職権調査事項であり、それゆえ不利益変更禁止の原則に優先することなどを明らかにした。

研究成果

• [雑誌論文] 共有者の共同訴訟の必要性と共有者の訴権の保障 (2011)
  • 著者名/発表者名: 鶴田滋
  • 雑誌名: 民事訴訟雑誌 57号 ページ: 178-188
• [雑誌論文] 固有必要的共同訴訟と不利益変更禁止の原則(最判平成22年3月16日民集64巻2号498頁) (2010)
  • 著者名/発表者名: 鶴田滋
  • 雑誌名: 民商法雑誌 143巻2号 ページ: 211-227
• [雑誌論文] 通常共同訴訟人独立の原則-当然の補助参加(最判昭和43年9月12日民集22巻9号1896頁) (2010)
  • 著者名/発表者名: 鶴田滋
  • 雑誌名: 高橋宏志ほか編『民事訴訟法判例百選(第4版)』(有斐閣) ページ: 206-207
• [雑誌論文] 民事手続判例研究:特許を受ける権利の確認訴訟において、同訴訟の係属後被告から同権利の共有持分を譲り受けたと主張する者が、被告側に共同訴訟参加することの可否(東京地判平成19年6月27日判タ1279号322頁、判時1990号134頁) (2010)
  • 著者名/発表者名: 鶴田滋
  • 雑誌名: 法政研究(九州大学) 77巻2号 ページ: 407-423
• [雑誌論文] 固有必要的共同訴訟-入会権確認訴訟(最判平成20年7月17日民集62巻7号1994頁) (2009)
  • 著者名/発表者名: 鶴田滋
  • 雑誌名: ジュリスト臨時増刊:平成20年度重要判例解説 ページ: 143-144
• [学会発表] 共有者の共同訴訟の必要性と共有者の訴権の保障 (2010)
  • 著者名/発表者名: 鶴田滋
  • 学会等名: 第80回日本民事訴訟法学会
  • 発表場所: 関西学院大学
  • 年月日: 2010-05-15
• [図書] 共有者の共同訴訟の必要性-歴史的・比較法的考察- (2009)
  • 著者名/発表者名: 鶴田滋
  • 出版者: 有斐閣