(1)PIAに係る法制度の調査 PIA関連文献の収集分析を中心とした文献調査を行うとともに、各国のPIA関連組織から法制度に関する情報を収集した。 (2)各国のPIAに係るガイドラインの調査 PIAは法令に基づいて行われることが多いため、実施にあたってのガイドラインや評価結果など諸外国の公表資料を調査することで、PIA関連ガイドラインの詳細な内容については調査を行った。 (3)PIA実施に伴う諸問題の調査・分析 PIAの実施に伴う諸問題については、文献調査や公開情報の調査では実際の問題点を明らかにする上では限界があることから、PIAガイドラインを策定している各国のプライバシーコミッショナーをはじめとして、PIA実施機関の担当者へのヒアリング調査を行うことで実状を調査した。 その他、本研究の研究期間中には空港保安システムにおけるボディ・スキャナーの導入をはじめとして、新たな情報システムの導入に関する様々な議論が提起された。本研究は、既に導入されている行政情報システムの運用に伴う諸問題を調査研究することが主たる目的である。しかし、導入が検討されている行政情報システムのうち、個人のプライバシー保護の観点から影響度が高いと思料されるものについては、その導入・検討段階から調査を行い、当該情報システムを導入することで生じる可能性がある個人のプライバシー侵害の可能性や影響を諸外国において実施されているPIAと同様の手法を用いることで、その影響度を評価する必要性があることを、今年度の研究により改めて認識するに至った。
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