グローバル化時代への対応として、2000年代のフィンランドにおける自治体構造改革、及び並行して首都と過疎地域で対照的に実施された広域行政の試みに着目し、内容、成果と意思決定過程の構造を分析した。いずれも基礎サービス供給保障のための改善は図られたものの、地方自治構造の改革は、修正を迫られたり、当初意図した成果を得ることができなかった。背景理由として、地方部に支持基盤を持つ中央党政権が進めた改革が、都市部、地方部いずれとも利益調整に行き詰まったこと。また、中央=地方の相互依存関係の中で改革が消極的に進められていったことが挙げられる。
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