本研究では、台湾における選挙制度改革(中選挙区制から小選挙区比例代表並立制への変更)を取り上げて、改革が行われた要因およびその政党と政党システムへの影響について日本の事例と比較しながら考察した。一党優位体制の動揺と政権交代が選挙制度改革を促し、二大政党の選好が制度改革の中身を左右した点では共通している。しかし、台湾では社会におけるイデオロギー対立を背景に、新たな選挙制度の下で一気に二大政党化が進んだ。また、政党と議員との関係にも変化は見られたが、候補者にとっては依然として個人投票が重要であることが明らかにされた。
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