本研究では、第一に、19世紀の朝鮮のめぐる国際関係の知識・情報のネットワークの存在と歴史を明確する作業を行った。朝鮮をめぐるグローバル、東アジア地域、朝鮮国内の知識・情報のネットワークのダイナミズムを追跡することで、さらなる研究の基礎を提供した。第二に、これまで注目されてきた近代的な国際関係論とは異なる系譜の言説の存在を明らかにする作業が行われた。近代を目標としながらも、その移行の過程では伝統の役割を重視する国際関係論が閔泳翊の思想の中に存在したことを明らかにする作業を通じて、朝鮮の国際関係論の理解に新しい可能性を提示した。
|