本研究では、第二次世界大戦後、イギリスの公式帝国(植民地、保護領、信託統治領などイギリス政府の法的な管轄下に置かれた地域)が急速に解体に向かうなかで、コモンウェルス(英連邦)を通して行われた「帝国後」の新たな国際制度・規範の模索について歴史的に分析を行った。特に、イギリスの公式帝国の解体後に残された政治的混乱や貧困、人種差別などの深刻な課題を受けて、コモンウェルス諸国間で常設のコモンウェルス事務局の設立(1965年)やンシンガポール宣言(1971年)を通して、そうした様々な「帝国後」の課題に対処する試みがなされたことについて検討した。
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