1970年代において、欧州共同体は、対外的には米ソから距離を置くデタントと通貨統合の本格的な政策に乗り出そうとした。このような欧州統合の深化は、それに対応する政治統合の深化を要求し、ECは政治統合構想に乗り出す。他方で域内においては、ECはコミトロジーにおける共同体統制の弱さに悩み、それは逆にコミトロジーによる共同体統制のための機能的・制度的変容へとつながって行った。このようなECの国際的位置づけと域内当地秩序の変容は、1970年代におけるECの自立的な統治構造に生成していった過程を裏付けている。
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