平成22年度は、前年度に引き続き、レジーム間の相互作用に関する理論的な研究を進めていった。そうした中で、重複し合うレジーム間の調整に関する研究がほとんど行われていないことが分かり、今年度はこの点について集中的に考察を進めた。その成果については、日本国際政治学会の部会において研究報告を行うとともに、その報告を基にした論文をまとめ公刊した。 また、ワシントンDCにおいて、NGOや、政府関係者がレジーム間相互作用にいかにかかわっているのかという点について実証的な研究もおこなった。その成果の一部として、そうした調査によって見えてきた政府関係者の認識を踏まえつつ、レジーム間関係と政府間関係について整理した論考、「グローバル化時代の政府間関係」をまとめた。 民間企業や、国際機関が、レジーム間相互作用や、ガヴァナンスにいかにかかわっているのかという点については、国際学会International Studies Associationにおいて、「Competing Authorities in Southeast-Asia : the Normative Authority of International Organizations and unforeseen Local Political Responses」というパネルを、パスカル・ハッチャー氏らとともに企画した。当日は、そのパネルの司会を務め、東南アジア地域における、ガバナンスの在り方について研究報告・議論を行った。
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