研究課題
平成24年度は、レジーム間相互作用研究、および規範研究の問題点を浮き彫りにし、それを踏まえた研究を進め、論文としてまとめた。その一つとして、従来の規範研究が、規範が国際的に拡散することに過度に焦点を当ててきたことを問題視し、規範拡散失敗メカニズムに焦点を当てた研究を継続した。その成果については、国際学会で"Countering Norm Creation"と題した研究報告を行い、その際のコメントを踏まえて学術論文にまとめた(近刊)。今一つは、レジーム間相互作用を促進するアクター、特にNGOに焦点を当てた研究である。これまでのレジーム間相互作用の研究は、その相互作用にのみ関心を集中させ、相互作用を促進するアクターに注目する研究は皆無であった。そこで相互作用促進アクターの活動に注目する研究を進め、平成23年度に国際学会で報告した際の質疑応答を踏まえて平成24年度に論文としてまとめた(国際ジャーナル投稿中)。また、よりNGOの活動戦略に焦点を当てた分析についてもまとめ、国際学会で“NGOs in Conventional Weapons Negotiations: Influential Advocators or Tamed Advisors?"と題した報告を行った。規範拡散及びレジーム間相互作用が軍備管理ガヴァナンスに与える影響についても考察を進めた。その成果として、新たな規範が拡散しレジーム間相互作用が盛んになる中で、軍備管理ガヴァナンスはかえって混迷を深めているのではないかと指摘する論考をまとめた。こちらは2013年に出版される書籍に収録されることが決まっている。以上のように、今年度は、昨年度までに進めてきた理論研究、及び事例分析をまとめる作業を行い、レジーム間相互作用促進アクター、規範(非)拡散について新たな知見を加えることができた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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The Ritsumeikan Journal of International Studies
巻: Vol.26, No.1 ページ: 1-13