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2010 年度 実績報告書

情報の質が曖昧なときの情報の価値・需要の分析

研究課題

研究課題/領域番号 21730161
研究機関岡山大学

研究代表者

東 陽一郎  岡山大学, 大学院・社会文化科学研究科, 准教授 (80327692)

キーワード情報の質 / 曖昧さ / シグナル / 情報の価値 / 情報の需要
研究概要

本年度は、論文"A note on the value of information with an ambiguous signal"を完成した。本論文では、意思決定主体は、意思決定の前に不確実なパラメーターと関連するシグナルを観察する。シグナルの正確さは曖昧で、ある区間の中のどの値も取りうる。意思決定主体は、シグナルの正確さの区間の中間点と幅という二つの変数を選ぶことで、シグナルの分数の区間を変化させる。区間の中間点はシグナルの平均的な正確さを示し、幅はシグナルの曖昧さの大きさと対応する。本研究ではこれらの二つの変数を情報の需要として考える。シグナルの正確さは一つの値(本研究の中間点)をとるベンチマークでは、その情報の需要を評価する関数は凹関数となる。本研究では、情報の需要は二次元であり、それぞれの変数に関して(他方を固定した下で)情報の需要を評価する関数は凹関数であるが、二つの変数を同時に選択するときには情報の価値は必ずしも凹関数にならないことが示された。つまり、情報の価値が、少なくとも局所的には規模に関して収穫逓増となりうることを示している。これは、シグナルの正確さの幅を小さくし、シグナルの曖昧さを減らすと、中間点の値をより大きくしようとするフィードバックが二つの変数の間に働くからである。また、シグナルの正確さの区間の中間点が大きくなると、よりシグナルが曖昧になる(幅が広くなる)ケースも定式化した。シグナルの曖昧さがないとき、このモデルは上で考えたベンチマークと一致するが、シグナルが曖昧であると情報の価値は区間の中間に点に関した変数について必ずしも増加的でないことがわかった。以上の結果を岡山大学経済学会ディスカッションペーパーとしてまとめ、海外の査読付書雑誌に投稿した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] A note on the value of information with an ambiguous signal2011

    • 著者名/発表者名
      東陽一郎
    • 雑誌名

      岡山大学経済学会discussion paper

      巻: I-83 ページ: 1-16

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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