研究課題
本研究は、資源・環境問題やインフラ整備のようなストックとしての外部効果と国際貿易との相互関係を理論的に検討するものであり、具体的には、以下の各テーマについて新たな理論的知見および政策的含意を導くものである。1.越境汚染ストックが存在する下での貿易自由化の効果2.公共中間財めストック外部性と貿易パターン・貿易利益3.働学的貿易モデルにおける均衡動学の再検討今年度は前年度に引き続き、関連する分野の書籍や論文の整理および検討、学会や研究会への参加と並行して、新たな理論モデルの構築を進めていった。研究テーマ1.については、政府が環境汚染ストックの蓄積を考慮に入れて環境政策を決定する経済における貿易自由化の効果に関する論文が、海外の学術誌に掲載された。また、企業が利潤だけでなく環境汚染の社会への影響をも考慮に入れて行動する動学的寡占競争モデルにおける貿易自由化の効果を検討した論文について、改訂を行った。研究テーマ2.については前年度に引き続き、名古屋大学経済学研究科の多和田眞教授との共同研究を通じて、公共中間財ストックが私的財の生産性に影響を与える経済における貿易パターンや貿易利益の検討を行った。2つのモデルを分析し、それぞれ論文を完成させたが、1つ目の論文は海外の学術誌に掲載が決まった。2つ目の論文に関しては、国内外の学会や研究会で発表した。研究テーマ3.については、南山大学経済学部の唐澤幸雄准教授との共同研究を通じて、出生率の内生化を考慮に入れた動学的貿易モデルの論文を完成させた。また、学会等における他の研究者との研究交流を通じて、新たな関連研究として、4.中間投入物としての再生可能資源と貿易パターン・貿易利益についても研究を始め、2つの論文を作成し、それぞれ研究会で報告した。
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International Economic Review
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