研究概要 |
プロジェクトの二年目として,昨年度に行った諸分野の文献のサーベイを基に,理論モデルの構築を行った.具体的には,昨年度にディスカッションペーパーとして公表した"Vision and Flexibility In a Model of Cognitive Dissonance"(ISER Discussion Paper No.771)を各種研究会等で得たコメントを基に改訂作業を行った.この論文では,意思決定者のself-esteem concernが多数派同調バイアス(conformity bias)や確証バイアス(confirmatory bias)といった認知バイアスを生み出す背後のメカニズムを描写するモデルを構築し分析を行っており,リーダーシップが機能しない典型的な可能性の一つを示唆している.それ以外にも,個人内での利害の対立のあるdivided-self modelをベースに,仕事へ対するやる気などのモチベーションがいかに外部環境(金銭報酬の有無や仕事に対する裁量の程度)に依存するのかといった点について分析を行った.この成果は,"Autonomy and Motivation:A Dual-Self Perspective"(ISER Discussion Paper No.803)として公表した.今後は,これらの論文を各種研究会や学会等で報告を行い,順次学術誌へ投稿していく予定である.
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