今年度の研究実績は、主に以下の3点にまとめられる。 第1に、当初の計画通り、ミャンマーで補足調査を実施した。具体的には、研究対象の一つであるマイクロファイナンス事業とその関連事業に関して、国連開発計画(UNDP)ミャンマーなどを訪問し、最新情報のインタビューと資料収集を実施した。マイクロファイナンスに関する2011年の法律制定に関連し、重要な資料を入手することができた。 第2に、丹念な調整の結果、上記補足調査の約2か月後、さらに詳細な情報・資料収集ができる機会を作ることができたので、再度現地を訪問する運びとなった。このときは、詳細なインタビューと資料収集を行った。具体的には、研究対象の一つであるマイクロファイナンス関連事業が2013年で完了したのに伴い、これまでの事業の詳細なデータを収集し、完了に至る経緯の事実確認、および今後の見通しについてインタビューを実施した。これらのデータや情報は、2011年の新政権発足以降、時々刻々と変化する現地の状況を把握して分析するために不可欠であり、本研究において大変重要なものであるため、それらが入手できたことはとても大きな成果であった。 第3に、ミャンマーでの2011年の新政権発足以降、研究対象分野においては法制度の整備をはじめ、国際機関や国際NGOの活動範囲などについて大幅な変化があったため、それらの情報整理を実施した。まずは、情報整理の一部を書籍の一節として発表し、また、前述の調査で25年度に収集したデータと資料をもとに、データの加工と分析作業を実施した。政情などの影響を受けて新政権下のデータを収集できたタイミングが本研究期間の最後になったため、最新情報を踏まえた分析結果は、ひきつづき翌年度中に行う予定で進める。
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