テーマ1統計・計量経済学ソフトウェアSTATA、E-Views、数値計算ソフトウェアMATLABを用いてデータセットの整備・拡充を行うとともに関連文献のサーベイを行った。また、同テーマに密接に関連する論文を、国外の学会(Financial Management Association European Conference)で発表した。 テーマ2関連文献の調査を行い、経済産業研究所の実施した企業向けアンケート調査の個票データを基に実証分析に用いるデータセットを作成の上、分析を行った。その結果、メインバンクと非メインバンクに融資を申請しメインバンクのみから融資採択を得た場合は、双方から採択を受けた場合に比べて金利が高いことがわかった。成果は論文にまとめ国内の大学等(大阪大学、経済産業研究所)で発表した。 テーマ3各銀行のディスクロージャー誌等に掲載されているデータ等から構成される基本データセットを基に分析を行った。その結果、公的資金投入が融資を増やすのは、大規模かっ資産査定を伴なった場1合であることがわかった。成果は論文にまとめ、国内の大学等(東北大学、経済産業研究所)で発表した。 テーマ4関連文献の調査を行うとともに、各信用金庫、信用組合のディスクロージャー誌等に掲載されているデータを入手し分析にあたっての検討を行った。 テーマ5当初の方針とは方向転換し、理論モデルを基にした実証分析を行った。その結果、預金保険制度は全額保護など非常に寛大な制度であっても適切な金融監督政策を伴った場合は、銀行による過度なリスクテイクにつながるわけではないことがわかった。成果は論文にまとめ、国内外の大学等(岡山大学、預金保険機構、日本政策投資銀行)で発表した。
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