論文"FDI Spillovers and Intellectual Property Rights" 本稿はSymeonidis (2003 International Journal of Industrial Organization)のモデルを拡張し、自国・外国の2企業間で垂直的に差別化された製品の品質の差を小さくする、海外直接投資(FDI)に伴うスピルオーバーが自国企業の立地選択にどのように影響するかを議論している。スピルオーバーの度合いが外生的、内生的に決まるいずれの場合も、それらは関税率を含む単位貿易コストと正の関係を持つことを、本稿は示した。自国企業の数が2つに増えると、複占のケースに比べてFDIが輸出よりも選択されやすくなることも、本稿は示した。本稿の最初の命題は41の途上国・新興国のデータによるクロスカントリー分析で支持された。 上記論文は主に昨年度研究を進めた論文"Endogenous FDI Spillovers with Spillover Prevention Costs"と合わせて、英文の専門誌に投稿するための準備を進めている。 この他、垂直的な製品差別化が行われる2つの市場において、企業がどのように製品の質を決定するか、企業の決定に費用構造がどのように影響するかを分析した論文 "Product Quality in Different Markets and Cost Structure"を執筆し、国内外の学会等で報告を行った。
|