研究概要 |
"Third-degree price discrimination, quality choice, and welfare," (with T. Toshimitsu) Economics Letters, Vol. 106, No. 1, 2010では、独占企業を想定し、第3級の価格差別と製品差別化について研究を行ってきた。しかしながら、独占企業の仮定は幾分か強い仮定と言わざるをえない。そこで、上述の研究を複占企業に拡張し、"Third-degree price discrimination and vertical differentiation in a duopoly situation"として、研究会等で報告を行ってきた。結論としては第3級の価格差別は、これまで考えられてきた以上に、経済厚生ならびに消費者に良い効果を与えるというものである。またこれは現在、海外の査読誌において修正後採択となっており、鋭意修正中である。この研究が世に広く発表されたのちには、現実的な経済状況についての分析を行うことができ、現実的な政策提言が可能となるであろう。 次に、企業の垂直的取引に関し、その垂直的関係の統合、分離の経済効果について分析を行った。これまで、K.Saggi and Vettas N."On intrabrand and interbrand competition : The strategic role of fees and royalties, "European Economic Review, Volume 46, Issue 1, 2002などでそのような研究は行われてきたが、その拡張として、より一般的な仮定の下で研究を行ってきた。現在、その研究は「チャネル間での価格-数量競争とチャネル選択」として、国内の査読誌に投稿中であり、また修正後採択の報告を得ている。これにより、より一般的な経済状況についての分析が可能となるであろう。
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