本研究の課題は、「生態移民」政策に着目し、山西省山間部における実態調査から、その具体的な実施状況と環境保全に対する効果の有無を確認するとともに、地域住民に与えた社会・経済的影響について考察を行うことである。 具体的な研究方法については、本研究では、中国有数の条件不利地域である調査地域において、移民政策によって形成された「移民村」における農家調査を実施し、移民政策が地域住民に与えた影響を就業状況や家計の変化等から検討を行うという計画を立てている。 今年度は、研究開始初年度にあたり、調査設営、調査準備(調査票の作成、確認)、予備調査、既存研究のサーベイなどを実施する予定であったが、調査の受け入れ先である山西省政府や農学会の都合により、調査が前倒しになり、予備調査とともに、移民村での個別農家調査を行うことができた。現在、農家調査票の分析と同時に、関連資料の収集及びマクロ的な資料の分析を行っている。 初年度としては、順調な研究成果を得ることができたと考えている。来年度以降は、調査結果のとりまとめと成果報告など、引き続き積極的に研究を進めていく予定である。
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